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アプリ開発/2026-06-25上級

言語を増やすたびに未翻訳が本番へ漏れる — Rork(Expo) アプリの文言カタログ運用と抜け検出の設計

Rork で生成した Expo アプリを多言語化したあと、言語を足すたびに未翻訳が本番へ漏れる問題を仕組みで止めるための設計を共有します。文言カタログの一元化、CI でのキー抜け・余り検出、フォールバック連鎖、複数形、擬似ロケールでのレイアウト検証まで実装込みで解説します。

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言語を増やすたびに未翻訳が本番へ漏れる

個人開発で運用しているアプリのひとつに、ある週末に2言語を足したことがあります。翻訳ファイルを2つ追加し、画面をひととおり眺め、問題なさそうに見えたのでリリースしました。数日後、ある画面の見出しだけが英語のまま表示されているという報告が届きました。原因は単純で、その言語ファイルを書いた時点には存在しなかったキーを、別の機能追加であとから足していたのです。新しいキーは既定言語にしか入っておらず、追加した2言語には反映されていませんでした。

このとき気づいたのは、未翻訳が漏れるのは「言語を足したとき」ではなく「キーを足したとき」だということです。多言語アプリの破綻は、たいてい翻訳作業そのものではなく、キーの増減と翻訳の充足が静かにズレていく運用のほうから来ます。そのズレを目視ではなく仕組みで止めるための設計を、実装込みで共有します。

なぜ未翻訳は「あとから」漏れるのか

翻訳ファイルを最初に用意したときは、全言語が同じキー集合を持っています。ところがアプリは育ちます。機能を足せば文言が増え、その文言は普通、自分が書ける言語(多くは日本語か英語)にしか入りません。残りの言語へ反映するのは別の工程で、ここに時間差が生まれます。

問題は、多くの i18n ライブラリが「キーが無い」ときに沈黙することです。キーを引けなければキー名そのものを表示したり、既定言語にこっそり落としたりします。クラッシュしないのは利点ですが、未翻訳がエラーにならないため、本番に出るまで誰も気づきません。目視レビューは画面数と言語数の掛け算で破綻します。3言語で20画面なら60通り、ここに動的な状態が乗るので、人間が全部見るのは現実的ではありません。

ですから設計の出発点はひとつです。翻訳の充足は人間の注意力ではなく、機械的な差分検出で担保する。 以下、その土台から順に組み立てます。

文言カタログを単一の真実に置く

最初にやるべきは、文言を「型のあるカタログ」として一元化することです。既定言語(私の場合は日本語)を真実の源とし、ここに存在するキーの集合を全言語が満たすべき契約として扱います。

// i18n/catalog.ts — 既定言語(ja)がキーの真実の源
export const ja = {
  common: {
    save: "保存",
    cancel: "キャンセル",
  },
  paywall: {
    title: "すべての機能を解放",
    cta: "続ける",
    restore: "購入を復元",
  },
} as const;
 
// 既定言語からキーの型を導出する。他言語はこの型を満たさないと型エラーになる
export type Catalog = typeof ja;
 
// 他言語は Catalog 型で受ける(深いキーの抜けをコンパイル時に検出)
import type { DeepPartial } from "./types";
export const en: Catalog = {
  common: { save: "Save", cancel: "Cancel" },
  paywall: { title: "Unlock everything", cta: "Continue", restore: "Restore purchases" },
};

ここで enCatalog 型(DeepPartial ではない)で受けるのが要点です。en にキーが足りなければ TypeScript がコンパイル時にエラーを出します。つまり「既定言語に足したキーを英語に入れ忘れる」事故は、CI を待たずエディタ上で赤くなります。

ただし型で守れるのは、ファイルとして存在しキー構造を型で受けている言語だけです。翻訳者から JSON で受け取る言語や、機械翻訳でいったん流し込む言語は型の外に出るため、次の機械検出が必要になります。

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新しい言語を追加するたびに未翻訳が本番へ漏れる根本原因を「キーの増減」と「翻訳の充足」のズレとして整理し、止め方を設計から示します
全ロケールのキー差分を CI で機械検出して未翻訳を本番前に止めるスクリプトと、フォールバック連鎖・複数形・擬似ロケール検証の実装を、私が個人開発の多言語アプリで回している形のまま共有します
翻訳の充足率を計測してダッシュボードに出す方法と、言語追加を安全な定型作業に落とすチェックリストまで1本にまとめました
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