ストア用のスクリーンショットを作り直そうとして、前回のサイズ表を開いたときのことです。手元のメモには「6.7 インチ 1290 × 2796」と書いてあったのに、App Store Connect の画面が求めてきたのは別の数字でした。メモの日付を見ると、ずいぶん前のものでした。いま思えば、数字を疑わなかった私のほうに落ち度があったのかもしれません。
最初にお伝えしたいのは、スクリーンショットのサイズ表は、書き写した瞬間から古くなり始めるということです。この記事の旧版も、まさにその状態でした。今回は 2026 年 10 月時点の公式ページを読み直し、数字を入れ替えたうえで、Figma に「仕様が変わっても直しやすい」テンプレートを組む手順を書き残します。
仕様は公式ページで確かめてから決める
私は壁紙アプリを長く運用しているので、スクリーンショットの差し替えは年に数回あります。そのたびに、サイズだけは必ず公式ページで確かめるようにしています。メモや過去記事の数字を信じて作り込み、最後に弾かれて胃が痛くなった経験があるからです。
App Store の受け付けサイズ
App Store Connect のスクリーンショット仕様によると、現時点の主なルールは次のとおりです。
| 対象 | 必須か | 受け付けるサイズ(px) |
|---|---|---|
| Dynamic Island 搭載 iPhone(中型ディスプレイ) | 1 枚以上が必須 | 1179 × 2556/1206 × 2622(縦)、横向きは縦横を入れ替え |
| iPad 13 インチ | iPad 対応アプリは必須 | 2064 × 2752/2048 × 2732(縦)、横向きは縦横を入れ替え |
押さえておきたい点は 3 つです。
- 1 つのデバイスサイズにつき、アップロード上限は 10 枚です
- 形式は JPEG・JPG・PNG で、アルファチャンネル(透過)は含められません
- UI がデバイスや言語を問わず同じなら、最も大きい必須解像度だけで足ります(小さい端末向けは App Store Connect が縮小します)
旧版では「6.5 インチも 5.5 インチも用意するのが推奨」と書いていましたが、現在の考え方は逆です。最大サイズを 1 セット作り、デバイス固有の見せ方が必要なときだけ追加するのが基本線になります。
Google Play の受け付けサイズ
Google Play Console ヘルプの記載は、App Store よりも条件がゆるやかです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 枚数 | 公開には、デバイス種別をまたいで最低 2 枚。デバイス種別ごとに最大 8 枚 |
| 形式 | JPEG、またはアルファなしの 24 ビット PNG |
| 寸法 | 各辺 320 px 以上 3840 px 以下。長辺は短辺の 2 倍まで |
| タブレット・Chromebook | 4 枚以上。各辺 1080〜7680 px、縦横は 9:16 または 16:9 |
| プロモーション対象の目安 | アプリは 4 枚以上、各辺 1080 px 以上(9:16 または 16:9) |
旧版にあった「1 ファイル 8 MB」という上限は、スマートフォン向けスクリーンショットについては、確認したページに記載がありませんでした。ファイルサイズは、公式に書かれていない数字を決め打ちせず、アップロード時の警告を目安にするのが安全です。
Figma にテンプレートを組む
数字が定まったところで、手を動かします。方針は「1 つの大きな母艦フレームから、すべての書き出しを派生させる」ことです。
フレームとページの切り分け
まず App Store 用に 1290 × 2796 ではなく、受け付けサイズの 1 つ(たとえば 1206 × 2622)で母艦フレームを作ります。Google Play 用は、同じデザインを 1080 × 1920 に合わせた別フレームとして用意します。
ページは次のように分けておくと、言語を増やしても迷いません。
- Template:母艦フレームとコンポーネントを置く
- ja/en/…:言語ごとのコピーを置く
- Export:書き出し専用のフレームを置く(名前にサイズと言語コードを入れます)
フレーム名は appstore_1206x2622_ja_01 のように、媒体・サイズ・言語・連番を並べます。後で一括書き出しをしたとき、ファイル名がそのままアップロード順の手がかりになるからです。
デバイスの枠は「置く」だけにする
デバイスフレームを自動生成するプラグインは複数あります。ただ、どれも端末の世代更新に合わせて数字が変わるので、枠の中身(画面領域)の寸法を、必ず自分のフレームと照らし合わせてください。実機のスクリーンショットを貼ったとき、上下に細い隙間ができていたら、サイズの取り違えを疑うのがいちばん早い見つけ方です。
アプリの画面は、実機かシミュレータで撮ったものを貼ります。Rork で組んだアプリでも同じで、書き出した PNG をそのまま枠に収めます。透過 PNG をストアにそのままアップロードするとアルファチャンネルで弾かれるので、書き出しのときは背景色を含めてください。
文字は「長い言語」から逆算する
テキストの位置は、画面上部の 20〜30% にキャッチコピーを置く構成が扱いやすいです。サイズは、1200 px 前後の幅なら見出し 56〜72 px、補足 32〜40 px あたりから試し、実機の小さな画面で読めるかを確かめて決めます。
大事なのは言語ごとの長さの差です。日本語を基準にすると、英語は 1.2〜1.3 倍、ドイツ語は 1.5 倍を超えることが珍しくありません。私は最初のうち、日本語で整えたレイアウトにそのまま英語を流し込み、行が 4 行にあふれて組み直す、という手戻りを繰り返しました。いまはいちばん長い言語の訳文を先に母艦に流し込み、そこに収まる幅で全体を設計するようにしています。
テキストは Auto Layout で包み、行数が増えたら背景ごと伸びるようにしておくと、翻訳が届いたあとの調整が一桁減ります。
多言語展開の流れ
言語を増やす作業は、次の順で進めています。
- 日本語で母艦を仕上げる。色・余白・コンポーネントを確定する
- 最長の言語(多くはドイツ語やロシア語)の訳文で、あふれの有無を先に確かめる
- ページを複製し、テキストレイヤーだけを差し替える
- 書き出して、App Store Connect と Google Play Console の言語欄に順にアップロードする
差し替えるのはテキストだけで、位置や大きさは触りません。触りたくなったときは、母艦のほうを直します。そうしないと、言語ごとに微妙に違うデザインが少しずつ増えていくからです。
さらに言語を広げる場合は、App Store のスクショは 1 セットだけ撮れば足りる多言語パイプラインや、Google Play のスクショを 16 言語にローカライズした実装メモも合わせて参照いただけましたら幸いです。ツールの選び方で迷っている場合は、Figma・Stitch・Canva の比較が叩き台になります。
書き出しと提出前の確認
書き出しは、Export ページのフレームを選び、PNG・1x で一括出力します。1x にするのは、フレームの寸法そのものがストアの要求サイズだからです。2x で出すと、要求外のサイズになって弾かれます。
提出前に、次の 4 点だけ確かめてください。
- 寸法が上の表のいずれかに一致しているか
- 透過が残っていないか(App Store ではアルファチャンネルが使えません)
- 枚数が上限以内で、1 枚目が最も伝えたい機能になっているか
- 全言語の文字が、端末で見る大きさに縮小しても読めるか
最後の確認は、パソコン画面ではなく、実機でストアの表示を開いて行うのがおすすめです。画面で読めた文字が、検索結果の小さなカードでは潰れていたことが何度もあるからです。
まとめ
サイズの数字は、公式ページを確かめて決め、母艦フレームを 1 つ作り、そこから派生させる——この 3 点を守るだけで、仕様が変わった日の作業量はかなり減ります。
数字は書き写さず、毎回公式から取り直します。デザインを直すのは、母艦の一か所だけです。 この線引きは、今後も守ってまいります。
次の一歩として、いま使っているスクリーンショットの寸法を、今日の公式ページと見比べてみてください。ずれがあれば、母艦フレームの寸法を直すところから始められます。