Rorkでアプリを生成すると、ストア掲載用の説明文まで一緒に下書きしてくれることがあります。便利な機能ですが、その文章を一字も直さずにApp Store Connectへ貼り付けてしまうと、もったいない結果になりがちです。生成された説明文は「機能の正確な列挙」には強い一方で、ストアの画面で実際に読まれる場所をほとんど意識していないからです。
実は、App Storeのアプリページで多くの人が目にするのは、説明文全体ではありません。「もっと見る」をタップする前に見える、ほんの数行だけです。週末の30分で手をつけるなら、私はまずこの先頭の数行から書き直すことをおすすめします。スクリーンショットを作り直すより速く、効果が出るのも早い場所です。
「もっと見る」の上で勝負は半分決まっている
iPhoneでアプリページを開いたとき、説明文は折りたたまれた状態で表示されます。画面に出るのは概ね最初の3行ほどで、その続きを読むには「もっと見る」を押す必要があります。ところが、ここを押す人は思いのほか少ないのです。スクリーンショットを数枚スワイプして、説明文の冒頭をちらりと見て、ダウンロードするかどうかをそこで判断する。これが多くのユーザーの実際の動きです。
つまり、説明文の4行目以降にどれだけ丁寧な機能解説を書いても、その大半は最初の判断には届いていません。Rorkが生成する説明文は「このアプリは○○ができ、△△に対応し、□□も搭載しています」といった網羅的な書き出しになりがちですが、折りたたみの上で機能名を並べても、読み手の心はあまり動きません。
個人開発で複数のアプリを運用してきて、私自身が実感しているのは、先頭の数行を「機能の宣言」から「読み手の状況への呼びかけ」に変えるだけで、同じアプリでもインストールされ方が変わるということです。直すのは本当に数行で済みます。
iOSとGoogle Playでは、先頭の意味が違う
ここで一つ、見落とされがちな大切な違いがあります。同じ「説明文の先頭」でも、App StoreとGoogle Playでは果たす役割がまったく異なります。
App Storeの説明文は、検索順位にはほぼ影響しません。Appleの検索は、アプリ名・サブタイトル・キーワードフィールドで主に決まります。ですから、iOSの説明文の先頭は「検索対策」ではなく「読んだ人を動かすコピー」に徹してよい場所です。キーワードを詰め込む必要はありません。
一方、Google Playには「簡単な説明」という80文字の独立した欄があり、こちらは検索インデックスの対象になります。さらにアプリページでも、詳細説明より先にこの80文字が見出しのように表示されます。つまりGoogle Play側の先頭は「検索に効く言葉」と「読み手を動かす言葉」を80文字で両立させる必要がある、より制約の厳しい場所なのです。
この違いを知らずにiOSの説明文をそのままGoogle Playに流用すると、検索で拾われる機会を捨てることになります。両ストアに出すなら、先頭だけは別々に書く——これが私の基本方針です。検索側の設計をさらに詰めたい方は、Rorkで作ったアプリのApp Storeキーワードフィールドを100文字で最大化する設計術もあわせて読んでみてください。
先頭3行を書き直す、シンプルな型
難しいコピーライティングの技術は要りません。私が実際に使っている、3つの文で構成する型を紹介します。
1行目は「読み手の状況」を言葉にします。アプリ名や機能ではなく、その人が今抱えている小さな困りごとや願いから入ります。たとえば水分記録アプリなら「コップ何杯飲んだか、夕方には忘れていませんか。」のように。
2行目で「このアプリが何をしてくれるか」を、機能名ではなく結果で書きます。「ワンタップで記録でき、今日の残りがひと目でわかります。」のように、使った後の状態を見せます。
3行目で「ためらいを一つ消す」一文を置きます。無料で始められること、登録が要らないこと、広告が控えめなことなど、ダウンロード直前の不安に先回りして答えます。「登録不要、開いてすぐ使えます。」のように。
この3行を書けたら、その下にRorkが生成した詳細な機能説明を続けて構いません。折りたたみの下は、興味を持って「もっと見る」を押してくれた人のための、丁寧な説明の場として活かせます。先頭で心をつかみ、その先で安心して読んでもらう、という役割分担です。
書き直したら、必ず実機で確認する
書き終えたら、机上で完成にせず、実際のアプリページのプレビューで先頭の見え方を確かめてください。App Store Connectのプレビューや、すでに公開しているアプリなら実機のApp Storeで、「もっと見る」の上に何行入っているかを目で確認します。日本語は文字幅が広いため、想定より早く折りたたまれることがよくあります。1行目に伝えたい言葉が、折りたたみの下に押し出されていないかを必ず見てください。
機種や文字サイズ設定によって表示行数は前後します。ですから、最も伝えたい一言は1行目の前半に置く、というのが安全です。後半に大事な言葉を置くと、画面によっては切れてしまいます。
スクリーンショットや注目アプリ掲載まで含めてストア全体を磨きたくなったら、App Store カスタムプロダクトページ (CPP) で Rork アプリのインストール率を高める実践ガイドも参考になるはずです。
まずは今あるアプリの説明文を開いて、先頭の3行だけ書き直してみてください。生成された文章を土台にしつつ、最初に読まれる場所だけは自分の言葉に置き換える。その小さな一手間が、ダウンロードという最後の一押しを支えてくれます。お読みいただきありがとうございました。