「AIアプリ開発ツールを調べ始めたら、気づいたら2時間が過ぎていた」という経験、ありませんか。
2026年現在、個人開発者がよく比較するAI開発ツールとして Rork、Cursor、Claude Code の3つがあります。どれも「AIの力でアプリ開発を加速する」という共通点はありますが、実際の使い方はまったく異なります。どれがいいかを調べ続けるより、違いを理解して自分に合ったものを選ぶ方が、ずっと早く動けます。
自分でも3つを使い比べてみた経験から、整理してみます。
3つのツールの「立ち位置」の違い
まず前提として、3つのツールはそもそも狙っているユーザーが違います。
Rorkは「コードを書かない人のためのモバイルアプリ製造機」 です。自然言語でアプリの仕様を伝えると、iOS/Android両対応のReact Nativeアプリが出来上がります。UIの設計、データ管理、API連携、App Storeへの提出まで、ほぼすべてをRork上で完結できます。
CursorはAI補完が組み込まれたコードエディター です。VS Codeをベースに作られており、コードを書ける人が「書く速度と品質を上げる」ために使います。チャットでコードの説明を求めたり、選択した関数を書き直してもらったりと、コーディング中に自然にAIのサポートを受けられます。
Claude Codeは既存プロジェクトに対してAIが自律的に作業するCLIツール です。プロジェクト全体のコンテキストを把握した上で、複数ファイルにまたがる変更を一度の指示で実行してくれます。「認証まわりをリファクタリングして」「このバグの原因を調べて直して」といった作業が得意です。
図にするとこうなります:
- Rork → コードを書けない人 → モバイルアプリを0から作る
- Cursor → コードを書ける人 → 日常のコーディングを効率化する
- Claude Code → コードを書ける人 → 大きめの改修や複数ファイルの変更をまとめて任せる
モバイルアプリをリリースするなら、まずRorkで十分
「スマートフォンのアプリを作ってApp StoreかGoogle Playに出したい」という目標があるなら、現時点ではRorkが最短ルートです。
理由は単純で、Rorkがモバイルアプリ開発の全工程をカバーしているからです。UIの生成から始まり、Supabaseやfirebaseとのバックエンド連携、課金(StoreKit/Google Play Billing)、ビルド、審査提出まで、ひとつのプロダクトで完結します。
# Rorkへのプロンプト例
「食事記録アプリを作って。
- 料理名とカロリーを入力して1日分を記録できる
- 曜日ごとのカロリー推移をグラフで見られる
- データはクラウドに保存してiPhone・Androidで共有できる
- シンプルで白っぽいデザインにして」
→ 数分で全画面が生成され、Companionアプリで実機確認できる
一方、CursorやClaude Codeでモバイルアプリを作ろうとすると、React NativeやExpoの環境構築、ナビゲーションの設定、ビルドパイプラインの整備といった前段階の作業が必要です。AIがサポートしてくれるとはいえ、基礎知識がないと詰まりやすい箇所が多くあります。
「プログラミングはできないけれどアプリを作りたい」という方に対しては、私は迷わずRorkをすすめています。
詳しい最初のアプリ作成手順はRorkでのアプリ開発入門ガイドも参考になります。
コードを書きながらAIに手伝わせるならCursor
「プログラミングはできます。WebやAPIのバックエンドをメインに作っている」という方には、Cursorが合います。
CursorはコーディングのリズムをほぼRorkは崩しません。テキストエディターとして普通に使いながら、必要なときだけAIにアシストしてもらえます。
// Cursorのチャットで依頼する例
// 「この非同期処理にエラーハンドリングを追加して、型定義もちゃんとつけて」
// 依頼前
async function fetchUserProfile(userId: string) {
const res = await fetch(`/api/users/${userId}`);
const data = await res.json();
return data;
}
// Cursor生成後
interface UserProfile {
id: string;
name: string;
email: string;
}
async function fetchUserProfile(userId: string): Promise<UserProfile | null> {
try {
const res = await fetch(`/api/users/${userId}`);
if (\!res.ok) {
console.error(`HTTP error: ${res.status} for user ${userId}`);
return null;
}
const data: UserProfile = await res.json();
return data;
} catch (error) {
console.error('Failed to fetch user profile:', error);
return null;
}
}Rorkが生成するコードは「動くこと」を優先しているため、型定義やエラーハンドリングが省略されることがあります。コードの品質を細かくコントロールしたい開発者には、Cursorの方が快適です。
既存コードの大きめの改修にはClaude Codeが力を発揮する
「アプリはもう動いています。ただ技術的負債が溜まっていて、まとめて改善したい」という状況には、Claude Codeが向いています。
Claude Codeの強みは、プロジェクト全体を読み込んだ上で作業してくれるところです。単一ファイルの編集だけでなく、「src/api/以下のエラーハンドリングを統一して」「認証ロジックをmiddlewareに切り出して」といった複数ファイルにまたがる変更も、一度の指示でまとめて対応してくれます。
# Claude Codeをプロジェクトディレクトリで起動
cd my-rork-app
claude
# プロジェクト全体を把握した状態で指示できる
> src/screens/以下の全コンポーネントにloading状態の表示を追加して
> このTypeScriptエラーの原因を調べて修正して: Type 'string | undefined' is not assignable to type 'string'
> テストが一件も書かれていないので、主要な関数にユニットテストを追加してRork MaxでエクスポートしたコードをClaude Codeで改善するというワークフローも、実際に使っていて快適です。Rorkで全体像を素早く作り上げてから、細かい品質改善はClaude Codeに任せる、という分担が自然にできます。
3つを組み合わせると何が起きるか
正直に言うと、3つのツールは排他的な関係ではありません。それぞれの得意な場面で使い分けると、開発のスピードが全体的に上がります。
私がよく使う流れはこうです。
- アイデアからMVPまで: Rorkで一気に形にします。コードを書かずにアプリの全画面が揃います
- MVPのブラッシュアップ: Rork Max に切り替えてネイティブな挙動を追加します。プッシュ通知、購入フロー、カメラ等
- コードを細かく調整したい部分: Rork MaxからエクスポートしてClaude Codeで改善する
- APIサーバーを自前で作る場合: Cursorで別途構築する
Rorkだけで完結するプロジェクトも多いですが、バックエンドの設計を自分でコントロールしたい場合や、企業向けアプリでセキュリティ要件が厳しい場合には、CursorやClaude Codeとの組み合わせが現実的な選択肢になります。
AIを使った開発ワークフローの参考としてRorkのAIコード補完活用ガイドもあわせてご覧ください。
個人開発者として、最初に選ぶなら
最後に、個人的な意見を正直に書きます。
「モバイルアプリをApp Storeに出すこと」が最初の目標なら、まずRorkだけで始めてください。
ツールを3つ比較検討している間に、別の人がRorkでアプリを作って審査に出しています。最初の一本を公開する経験は、どんな比較記事よりも多くのことを教えてくれます。
Rorkで作ったアプリが形になって、「もっとコードをコントロールしたい」「バックエンドを自前で持ちたい」と思い始めた段階で、CursorやClaude Codeを触ってみてください。その順番の方が、ツールの使い方も格段に分かりやすくなります。
Rorkとよく比較されるRorkとLovableの違いも、ツール選びの参考にしていただければ幸いです。