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⬡ 開発ツール/2026-07-11上級

Sentry のイベント枠を数日で使い切ったとき — 送る前にノイズを削って本当のエラーを残す運用メモ

Sentry のイベント枠が月初で尽きる原因はノイズの偏りです。beforeSend・サンプリング・グルーピングで送信前に量を絞り、重要なエラーだけを枠内に残す実装と、実際に送信量を測って立て直した運用手順をまとめました。

Rork577Sentry6監視3コスト最適化5React Native238エラー監視

✦ プレミアム記事

新しいバージョンを公開した翌朝、Sentry から一通のメールが届いていました。「今月のイベント枠の80%を消費しました」。その日はまだ7月の3日目でした。

エラーが急に増えたわけではありません。アプリはいつも通り動いています。ただ、送信されるイベントの中身が、いつの間にか「同じ無害な例外の大量発生」で埋め尽くされていたのです。

無料枠は月5,000イベント。私のアプリの一つは、その月のペースだと18,000イベントに届く勢いでした。枠を使い切れば、本当に見たい致命的なクラッシュがドロップされて記録されなくなります。監視を入れたのに、肝心なときに何も見えない。これは避けたい状況でした。

ここで整理するのは、Rork(React Native / Expo)で作ったアプリの Sentry イベント量を「送る前に」絞り込む方法です。単にサンプリング率を下げるのではなく、ノイズだけを狙って削り、重要なエラーは必ず枠内に残す。その線引きの実装と、実際に送信量を測って立て直した手順を書きます。

イベント枠は「エラーの重要度」と無関係に減る

最初に押さえておきたいのは、Sentry のイベント枠は「重要なエラー」と「どうでもいいログ」を区別せずに減っていくという事実です。

星1レビューにつながる致命的クラッシュも、ユーザーが電波の悪い電車内でリロードして出た一過性の AbortError も、枠の上では同じ「1イベント」です。そして厄介なことに、量が多いのはたいてい後者です。

イベントの種類ビジネス上の重要度典型的な発生量
強制終了・未捕捉例外高少ない
ネットワーク一過性エラー(AbortError・タイムアウト)低〜中非常に多い
サードパーティ SDK の内部警告低多い
パフォーマンストレース(tracesSampleRate 由来)状況次第設定次第で膨大

私の場合、Discover でイベントを例外の型ごとに集計したところ、ひとつの AbortError(ユーザーが画面を離れたときの fetch 中断)が、その月の送信イベントの約61%を占めていました。これはクラッシュではありません。捕捉して握りつぶしてよい種類のものです。

つまり、やるべきことはサンプリング率を一律に下げることではありません。この61%を狙って落とし、残りはそのまま通すことです。

まず「何が枠を食っているか」を1クエリで見る

対処の前に計測です。犯人を特定せずにサンプリング率を下げると、重要なエラーまで薄まってしまいます。

Sentry の Discover(または Issues のソート)で、直近7日を対象に「イベント数の多い順」に並べます。見るのは次の3つです。

指標読み取ること
issue ごとの events1つの issue が枠の何割を占めているか。上位3件で全体の大半なら、その3件を狙えばよい
events / users 比1ユーザーあたりの発生回数。比が極端に高い issue はループやリトライ暴走を疑う
transaction の量エラーではなくパフォーマンストレースが枠を食っている場合、ここが大きい

このとき、events / users が「1ユーザーで数百件」のような issue があれば、それはリトライループがバックグラウンドで回り続けている可能性が高いです。ノイズを削る前に、まずそのループ自体を止めるべきサインです。ネットワーク層の設計は不安定なネットワーク下の UX とエラー状態設計の観点とも重なります。

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✦イベント枠を食い潰す犯人を Sentry 側で特定する手順(1つの AbortError が全体の6割だった実例つき)
✦beforeSend・sampleRate・ignoreErrors・fingerprint を組み合わせ、重要なエラーだけを残す実装コード
✦サンプリング後も致命的エラーを必ず通す allowlist ガードと、週次で送信量を見直す運用メモ
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