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開発ツール/2026-07-10上級

React Compiler を Expo に入れて、手書き memo を 41 箇所消しました

Rork が生成した React Native 画面に React Compiler を導入し、再レンダリング回数を Profiler で実測しました。手書き memo/useCallback の削除判断、効かない箇所の見分け方、CI での回帰検知までをまとめています。

React CompilerExpo182React Native231パフォーマンス33Rork543

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壁紙アプリのグリッド画面で、サムネイルを 1 枚お気に入りに登録するたびに画面全体が白くまたたく。Profiler を開いたら、可視領域の 24 セルすべてが再レンダリングされていました。お気に入りフラグが変わったのは 1 セルだけです。

原因はすぐ分かりました。Rork が生成した onToggleFavorite が毎レンダリングで新しい関数として作られ、FlatListrenderItem を丸ごと作り直していたのです。

その場しのぎとして useCallback を足し、React.memo で包み、依存配列を睨む。この作業を 6 本のアプリで何度繰り返したか分かりません。私自身、依存配列の書き間違いで「更新されないバグ」を作った回数のほうが、memo で得た速度より多いのではと感じておりました。

React Compiler を本気で試したのは、その徒労感が理由です。

何を検証したのか

対象は個人開発で運用している壁紙アプリの 1 本です。Expo SDK の React Native 画面で、Rork が生成したグリッド・詳細・設定の 3 画面。手書きの React.memo / useCallback / useMemo が合計 63 箇所ありました。

検証したのは次の 3 点です。

  1. React Compiler を有効にすると、再レンダリング回数は実際にどれだけ減るのか
  2. 手書きの memo 群は削除して安全か。削除すると遅くなる箇所はどこか
  3. コンパイラが最適化を「諦めた」コンポーネントを、目視ではなく機械的に見つけられるか

結論を先に書きます。再レンダリング回数は主要操作で 24 回 → 2 回に落ち、手書き memo は 63 箇所のうち 41 箇所を削除できました。残る 22 箇所には削除してはいけない明確な理由がありました。

導入は Babel プラグイン 1 行、ただし前提が 2 つ

Expo での有効化そのものは短いものです。

npx expo install babel-plugin-react-compiler
// babel.config.js
module.exports = function (api) {
  api.cache(true);
  return {
    presets: [["babel-preset-expo", { "react-compiler": true }]],
  };
};

babel-preset-exporeact-compiler: true を渡すと、プリセットがコンパイラを配線してくれます。手動で plugins に追加すると、プリセットが施す React Native 向けの調整と二重適用になることがあり、私は 1 度これでビルドを壊しました。プリセット経由に統一するのが安全です。

前提が 2 つあります。

前提 1: New Architecture が有効であること。 厳密にはコンパイラ自体は旧アーキでも動きますが、コンパイラが前提とするレンダリング挙動(自動バッチング、Concurrent 由来の再入可能性)は New Architecture で揃います。旧アーキのまま入れると、後述する「2 回に落ちたはずの再レンダリングが 5 回残る」状態になりました。移行手順は新アーキテクチャの段階移行にまとめてあります。

前提 2: Metro のキャッシュを必ず捨てること。 npx expo start --clear を挟まないと、変換前のバンドルが残ります。「導入したのに何も変わらない」という報告の大半はこれです。開発ビルドで確認できたつもりが本番ビルドでは別の結果になる、という落とし穴もここに潜んでいます。回避策は単純で、計測の前に必ずキャッシュを捨てることに尽きます。Metro のキャッシュ挙動はFast Refresh のトラブルシューティング側にも書きました。

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この記事で得られること
Expo に React Compiler を入れ、commit 回数 24 → 2・commit 時間 36% 短縮を Profiler で実測した再現手順
手書き memo/useCallback 63 箇所のうち 41 箇所を削除し、22 箇所を残した判別基準
コンパイラが bail out したコンポーネントを eslint-plugin-react-hooks と useMemoCache の出現数で洗い出す方法
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