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⬡ 開発ツール/2026-07-18上級

文字サイズ最大とドイツ語で、生成された画面は静かに詰まる — Rork Max の SwiftUI にレイアウト耐性の検証を通した記録

Rork Max が生成した SwiftUI 画面を疑似ローカライズと最大文字サイズに通し、どこから詰まるかを機械的に洗い出した記録です。ViewThatFits・ScaledMetric・layoutPriority の使いどころと、再生成のたびに回帰を捕まえるスナップショット検証を、実際の数値とともにまとめました。

Rork Max236SwiftUI66Dynamic Type疑似ローカライズレイアウト3スナップショットテスト

✦ プレミアム記事

設定アプリで文字サイズを一番右まで動かし、自分のアプリを開いてみたことはありますでしょうか。

私はある日、Rork Max で組んだ設定画面をその状態で開いて、少しのあいだ黙ってしまいました。トグルのラベルが「バックグラウンドで…」で切れ、その右にあるはずのスイッチが画面の外へ押し出されていました。スイッチは存在しているのに、指が届きません。視覚的には完成していた画面が、文字サイズひとつで操作不能になっていたわけです。

Xcode のプレビューは緑。シミュレータも緑。ブラウザのライブシミュレータでも、当然ながら緑でした。既定の文字サイズと日本語で見るかぎり、その画面はどこも壊れていません。

個人開発では、この種の検証を誰も代わりにやってくれません。QA の担当者もいなければ、レビュー会もありません。緑を見て「できた」と思ったのは私自身であって、その判断を疑う役目もまた私自身に残っています。

この記事は、その一件のあと、Rork Max が生成した 23 画面すべてを 疑似ローカライズと最大文字サイズに通して、詰まる場所を機械的に洗い出した記録です。どこから詰まったのか、どう直したのか、そして再生成のたびに同じ場所が戻ってしまう問題をどう捕まえているのかを、実際の数値とコードで残しておきます。

なぜ生成された画面は既定値でしか検証されないのか

Rork Max はプロンプトから純粋な Swift を出力します。React Native を経由しないぶん、SwiftUI のレイアウトシステムがそのまま効きます。これは利点ですが、同時に「SwiftUI のレイアウトが持つ弱点も、そのまま引き受ける」ということでもあります。

生成された画面を読むと、傾向がはっきり出ていました。

生成コードによく出る形既定値での見え方極端な条件での挙動
HStack にラベルとコントロールを直置き問題なしラベルが伸びてコントロールが画面外へ
.frame(width: 120) の固定幅ボタンちょうど良い文言が ... で省略され意味が消える
.font(.system(size: 15)) の絶対指定意図どおり文字サイズ設定を無視して小さいまま
padding(.horizontal, 16) 前提の2カラム収まる長い言語で1文字ずつ改行
Spacer() で押し切る右寄せ綺麗に右端ラベルに負けて潰れる

生成モデルが手を抜いているわけではありません。プロンプトに「文字サイズ 310% でも崩れないこと」と書かなければ、モデルは既定値で最も見栄えのする配置を選びます。それは指示に対して正しい応答です。問題は、私が既定値しか指示していなかったことのほうにありました。

そして厄介なのは、この種の詰まりが レビューにも届きにくい ことです。文字を大きくして使っている方は、アプリが使えなければ黙って消します。星がつくことすら稀です。

疑似ローカライズという、翻訳前にできる検査

翻訳を発注する前に、レイアウトが長い文言に耐えるかどうかは確かめられます。Xcode の疑似ローカライズ(Pseudolanguage)を使う方法です。

スキームの Run → Options → App Language に、通常の言語に混ざって次の項目があります。

疑似言語何をするか見つかるもの
Double-Length Pseudolanguage全文字列を2回繰り返す長い言語での詰まり・省略・押し出し
Accented Pseudolanguageアクセント記号を付与し前後を [ ] で囲むハードコードされた未ローカライズ文字列
Right-to-Left Pseudolanguage擬似的に RTL 表示にする.leading 固定の非対称レイアウト
Bounded String Pseudolanguage文字列の前後に境界を可視化切り詰めが起きている箇所

Accented のほうは、レイアウトより先に「そもそもローカライズされていない文字列」を炙り出してくれます。囲みが付いていない文字列は、コード中にベタ書きされているということです。Rork Max の生成コードは String Catalog を使う指示を出していれば概ね拾ってくれますが、エラーメッセージやアクセシビリティラベルの取りこぼしは実際にありました。この辺りは Rork Max の Swift アプリを String Catalog で多言語運用する に整理してあります。

Double-Length のほうが、この記事の本題です。ドイツ語の実文を待たなくても、文字数がおよそ2倍になったときにどこが先に折れるかが分かります。実務上、ドイツ語は英語比でおよそ 1.3〜1.6 倍、フィンランド語やハンガリー語はさらに伸びます。2倍は少し厳しめですが、余白の設計としてはちょうど良い負荷でした。

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この記事で得られること
✦Xcode の Accented / Double-Length 疑似ローカライズを Rork Max 生成画面に当て、23画面中9画面で文言が詰まった実測と、詰まり方の3類型
✦ViewThatFits・layoutPriority・ScaledMetric・dynamicTypeSize の使い分け表と、AX5(310%)まで耐えるカード実装の完全コード
✦再生成のたびの崩れを捕まえる 4条件×スナップショットの検証コードと、画像幅では取り逃す押し出しをタップ領域の実測で拾う方法(CI 11分→2分40秒→3分18秒)
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