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開発ツール/2026-06-24上級

EAS Update を入れたのに『直したはずのバグ』が消えないとき — OTA が静かに届かない原因と運用メモ

EAS Update を導入しても OTA が一部のユーザーに届かないことがあります。runtimeVersion のドリフト、配信したのに採用されない更新、安全なロールバックの選び方を、Rork アプリの運用で実際に効いた計装とともに整理します。

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EAS Update を入れて最初に感じる安心感は、しばらくすると別の不安に変わります。「eas update は成功した。Published と出た。なのに、ユーザーからの不具合報告が止まらない」。私自身、個人開発で運用している Rork 製アプリで、同じ修正を二度も三度も配信し直した経験があります。問題はコードではなく、更新が一部の端末に「静かに届いていなかった」ことでした。

OTA 配信は、ビルド審査の待ち時間をなくす強力な仕組みです。一方で、配信が成功することと、それが実際にユーザーの画面に反映されることは別問題です。以下では、配信したのに直らないという状況を分解し、原因を切り分け、再発を防ぐための本番運用での勘所を整理します。チュートリアルではなく、実際に運用してつまずいた箇所の記録です。

「Published」は配信の成功であって、採用の成功ではない

eas update が返す Published は、EAS のサーバーに新しい更新が登録されたことを意味します。ここから先、その更新が実際に動くまでには、いくつもの関門があります。

段階意味失敗するとどうなるか
Publish更新が EAS に登録されるCLI がエラーを返すのですぐ気づける
マッチング端末の runtimeVersion と更新の runtimeVersion が一致不一致だと永遠に届かない(無言)
ダウンロード起動時にバンドルを取得通信状況・チェック設定次第で遅延する
適用次回起動で新バンドルに切り替わる1回目の起動では旧バンドルのまま動く

ここで最も厄介なのが2段目のマッチングです。CLI には何のエラーも出ません。配信は成功し、ダッシュボードにも更新が並びます。それでも、runtimeVersion が合わない端末には更新が一切届きません。「成功したのに直らない」の大半はここが原因です。対処の出発点は、コードを疑う前にこの一致を疑うことです。

まず確認すべきは、その更新がどの runtimeVersion に紐づいているか

切り分けの最初の一歩は、配信した更新と、ユーザーが使っているビルドの runtimeVersion が一致しているかを見ることです。

# 配信済み更新を runtimeVersion つきで一覧する
eas update:list --channel production --json --non-interactive \
  | jq '.[] | {id, runtimeVersion, message, createdAt}'

出力された runtimeVersion が、ストアに出ている現行ビルドの runtimeVersion と一致していなければ、その更新は現行ユーザーには届きません。現行ビルドの値は、ビルド一覧から確認できます。

# 直近のビルドが持つ runtimeVersion を確認する
eas build:list --platform ios --status finished --limit 5 --json --non-interactive \
  | jq '.[] | {id, runtimeVersion, appVersion, channel}'

この2つの値が食い違っていたら、コードの問題ではありません。配信先の runtimeVersion を現行ビルドに合わせて publish し直す必要があります。私はこの確認を後回しにして、正しいコードを何度も配信し直すという徒労を経験しました。最初にここを見る癖をつけてからは、切り分けが一気に速くなりました。

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この記事で得られること
OTA 更新が『配信済みなのに端末に届かない』典型パターンと、原因を5分で切り分ける確認手順
runtimeVersion ドリフトを設計段階で防ぐポリシー選択と、混在バイナリ環境での採用率の読み方
republish・channel:edit・embedded ロールバックの違いと、事故の種類ごとに正しい戻し方を選ぶ判断基準
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