子どもが生まれてから、毎日少しずつ変わっていく姿を記録しておきたいと思いながら、既存のアプリには何かしら不満があって使い続けられない——そんな経験、ありませんか。
「広告が多い」「必要のない機能が多すぎる」「デザインが好みじゃない」。
そのくらいなら、自分で作ってしまおう。Rorkを使えば、プログラミング不要で、自分にぴったりの育児記録アプリが1時間ほどで作れます。今回はその手順を丁寧に説明します。
作るものの全体像
今回作るのは、こんなシンプルな育児記録アプリです。
- 日々の記録: 日付・メモ・写真をセットで保存できる
- 身長・体重の記録: 数値を入力すると折れ線グラフで推移を確認できる
- タイムライン表示: 過去の記録を新しい順に一覧で見られる
- 写真ギャラリー: 撮りためた写真をグリッドで見られる
「まずはシンプルに」がコンセプトです。通知機能やSNS共有など、後から足せる機能は最初から入れません。完璧なアプリより、今日から使えるアプリを目指します。
Rorkに入力するプロンプト
Rorkのプロジェクト作成画面で、以下のプロンプトを入力してください。コピーして貼り付けるだけで大丈夫です。
育児記録アプリを作ってください。
画面構成:
1. ホーム画面 - 最新5件の記録をカード形式で表示、右下に「+」ボタン
2. 記録追加画面 - 日付(デフォルト今日)、テキストメモ、写真(オプション)、保存ボタン
3. 成長記録画面 - 身長(cm)と体重(kg)を入力できるフォーム、入力履歴を折れ線グラフで表示
4. ギャラリー画面 - 写真付きの記録だけをグリッド3列で表示
ナビゲーション: 下部タブバー(ホーム・成長・ギャラリー)
デザイン: パステルグリーンとホワイトを基調とした、落ち着いた雰囲気
フォント: 丸みのある読みやすいフォント
データ保存: デバイスのローカルストレージに保存(インターネット不要)
日本語UIこのプロンプトで、Rorkは数分以内にアプリの基本構造を生成してくれます。生成が終わったら、画面右側のプレビューで全体の見た目を確認してみてください。
プロンプトに「子どもの名前を設定できる機能を追加」「テーマカラーをピンクに変更」などを追記すると、より個性的なアプリにもなります。
生成後に確認する3つのポイント
Rorkがアプリを生成したら、Companionアプリ(または実機)で動作を確認します。
1. 記録の保存と読み込み
「+」ボタンでテスト記録を2〜3件追加して、アプリを一度閉じてから再起動後も残っているか確認します。ここで消えるようであれば、ストレージの実装に問題があります。その場合はRorkのチャット欄に次のように送ってください。
記録がアプリ再起動後に消えてしまいます。
AsyncStorageを使ったローカルストレージへの永続保存に修正してください。2. 写真の表示
カメラロールから写真を選んで保存し、ホーム画面のカードに表示されるか確認します。写真が真っ黒になる場合は、画像のURIではなくBase64エンコードで保存するように変更すると解決することが多いです。
3. グラフの描画
成長記録画面で身長・体重を3件以上入力して、グラフが正しく描かれるか確認します。データが1件だけだとグラフが点になってしまうので、必ず複数入力してテストしてください。
よくある「生成後の修正」パターン
Rorkが生成するコードはほぼ動きますが、細かい部分は追加プロンプトで調整します。
日付の表示形式を日本語にしたい
日付の表示を「2026年4月20日(日)」の形式に変更してください。
現在は英語表記になっています。タイムラインのカードをもっと見やすくしたい
ホーム画面のカードデザインを改善してください。
- 写真がある場合は左側に正方形でサムネイル表示
- テキストは右側に日付と最初の50文字を表示
- カード間の余白を少し増やす身長・体重グラフに月齢を表示したい
成長記録のグラフのX軸に、生年月日から計算した月齢(○ヶ月)を表示してください。
生年月日は設定画面で入力できるようにしてください。修正プロンプトは「何が問題か」「どう直したいか」を具体的に伝えるのがコツです。「なんかかっこよくして」のような曖昧な指示よりも、「カードの背景を白にして、左に写真、右にテキストを配置して」のように具体的に書いた方が、意図通りに仕上がります。
プロンプトの書き方が上手くなりたい方は、Rorkプロンプト設計のパターン集もあわせて参考にしてください。
育児記録アプリならではの注意点
このカテゴリのアプリを作るとき、特に気をつけたいことが2点あります。
写真データの容量管理: 育児記録アプリは長期間使うと、写真データが積み重なってアプリ全体が重くなることがあります。ローカル保存の場合は、保存前に画像をリサイズする処理を入れておくのがおすすめです。
写真を保存する前に、最大幅800pxにリサイズしてからローカルに保存するように変更してください。
画質は80%に設定してファイルサイズを抑えてください。バックアップの仕組み: 大切な子どもの記録がデバイス故障で消えてしまうのは避けたいところです。最低限、「エクスポート機能」をつけておくと安心です。
記録をJSONファイルとしてエクスポートする機能を追加してください。
ファイル名は「babydiray_YYYYMMDD.json」の形式で保存できるようにしてください。このエクスポートファイルをiCloudやGoogle Driveに定期的にバックアップしておけば、機種変更時も安心です。
データをクラウドに保存したい場合
今回作ったアプリはデバイスのローカルにデータを保存するため、機種変更時にデータが消えてしまいます。家族で共有したい、または長期間使い続けたい場合は、クラウドへの保存を後から追加できます。
最も手軽な方法はSupabaseの利用です。Supabaseは無料プランでも十分な機能があり、Rorkとの相性も良好です。
バックエンドにSupabaseを追加してください。
- テーブル: diary_entries (id, date, memo, photo_url, created_at)
- テーブル: growth_records (id, date, height, weight, created_at)
- ユーザー認証は不要(単一デバイス用)
- Supabaseのプロジェクト URL とAPIキーは環境変数で管理Supabaseのプロジェクト作成とAPIキーの取得が必要ですが、それ自体も10分程度で完了します。無料プランでも月5万行のデータ保存が可能で、育児記録アプリのデータ量であれば数年分は余裕で入ります。
Rorkでのアプリ開発の基本的な流れについては、Rorkで初めてのアプリを30分で作る完全ガイドも参考になります。
App Storeへの公開を考えている方へ
「自分用に作ったけど、他の人にも使ってほしい」と思ったら、App StoreやGoogle Playへの公開も検討してみてください。
公開する場合にいくつか気をつけることをまとめました。
プライバシーポリシーの用意: 写真データを扱うアプリは、プライバシーポリシーが必須です。Rorkに「このアプリのプライバシーポリシーを英語と日本語で生成してください」と依頼すると、たたき台を作ってくれます。
アプリのアイコン・スクリーンショット: 審査に通すためだけでなく、ストアページの印象を左右する大切な素材です。App Storeへの公開手順を参考に、丁寧に準備してください。
ヘルスケアカテゴリの注意点: 子どもの健康データを扱う場合、医療目的とみなされる表現には審査が厳しくなります。「健康管理ツール」ではなく「記録・日記アプリ」として位置づけると審査が通りやすくなります。アプリの説明文で「本アプリは医療目的には使用できません」という一文を入れておくのもおすすめです。
作ってみて気づいたこと
育児記録アプリは、機能の多さより「続けられること」が大事だと感じています。毎日の積み重ねがデータになるので、入力のハードルをできるだけ下げる点が肝心です。
たとえば、「起動したらすぐ入力画面を表示する」「テキスト入力なしで写真だけでも保存できる」「ワンタップで今日の記録ができる」といった工夫は、プロンプトを1〜2行追加するだけで実現できます。
自分が使いやすいように、どんどんカスタマイズしてみてください。ノーコードAIアプリ開発の最大の強みは、「気になったらすぐ試せる」ことです。試作して、使ってみて、気に入らなければ修正する——このサイクルを気軽に回せるのがRorkの醍醐味だと思っています。
まずは今日、Rorkを開いて新しいプロジェクトを作ってみることをおすすめします。ヘルスケア系のアプリ開発に興味が出てきた方は、AIフィットネスコーチアプリの完全チュートリアルも参考にしてみてください。
壁紙アプリ 12 年運用の感覚で見た Rork の強み
私は 2013 年から壁紙アプリ(Beautiful 4K/HDR Wallpapers)を運用していて、最近 iOS / Android の両方で大型リニューアルを行っています。Rork で新規アプリを作ってみて感じたのは、**「アプリ実装のうち、本当に差別化につながる部分以外は、Rork に任せた方が早い」**ということでした。
例えば、課金フローの実装、メディエーション広告の組み込み、利用規約ページの整備——これらは 12 年やっても毎回ゼロから書き直す部分で、しかも「正解」が決まっています。Rork はその「正解」を最初から組み込んだ状態で生成してくれるので、私が壁紙データのキュレーションや UI の細部に時間を割けるようになります。