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⬡ 開発ツール/2026-06-15上級

電波が切れても操作を止めないアプリ設計 — 楽観的更新と、戻ってきたときの競合解決

Rork で作った Expo アプリを、地下鉄やエレベーターで電波が切れても操作が止まらないように設計します。画面を先に更新する楽観的更新と、通信が戻ったときに食い違いを解く競合解決を、動くコードで組み立てます。

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✦ プレミアム記事

地下鉄に乗っているとき、自分のアプリでメモにチェックを付けようとして、くるくる回る読み込み表示が止まらなくなりました。電波が切れていたのです。チェックという一瞬の操作が、通信の往復を待つ作りになっていたために、トンネルを抜けるまでアプリが何も応えてくれませんでした。利用者からすれば、これは「壊れている」のと変わりません。

このとき痛感したのは、通信を前提に画面を組むと、通信がないだけでアプリが死ぬということです。電車・エレベーター・地下の店舗。日常には電波の切れる場所がいくらでもあります。個人開発で複数のアプリを運用していると、こうした環境での挙動に関する低評価レビューが、じわじわとストアの星を削っていきます。

なぜ「待つ」設計はユーザーを失うのか

多くのアプリは、操作をサーバーに送り、成功の返事を受け取ってから画面を更新します。順番としては自然ですが、この順番だと通信の遅さや断絶がそのまま操作の遅さになります。AdMob のバナーが裏で読み込まれているような場面では、なおさら回線が混み、待ち時間が伸びます。

利用者が求めているのは、タップした瞬間にチェックが付くことです。サーバーの返事は、本当はあとからでかまいません。ならば順番を逆にします。先に画面を更新し、サーバーへの送信はあとから追いかける。これが楽観的更新の考え方です。

まず画面を更新し、送信は後ろに回す

楽観的更新の骨格は単純です。タップされたら、ローカルの状態を即座に変え、同時に「サーバーへ送るべき操作」をキューに積みます。送信が成功すればキューから消し、失敗すれば残して後で再送します。

// optimisticStore.ts — 先に画面を変え、送信はキューに積む
type Mutation = { id: string; type: "toggle"; itemId: string; value: boolean };
 
const pending: Mutation[] = [];
let items: Record<string, boolean> = {};
 
export function toggleItem(itemId: string, value: boolean, render: () => void) {
  // 1) 画面を先に更新(体感は即時)
  items[itemId] = value;
  render();
 
  // 2) 送信すべき操作をキューに積む
  const mutation: Mutation = {
    id: `${itemId}-${Date.now()}`,
    type: "toggle",
    itemId,
    value,
  };
  pending.push(mutation);
  void flushQueue();
}

利用者の指から見れば、チェックは0秒で付きます。通信は裏側で静かに進みます。体感速度の改善は劇的で、私のアプリでは操作からフィードバックまでの待ち時間が、計測上およそ400ミリ秒からほぼ0へ縮みました。

✦

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✦送信待ちのキューを永続化し、アプリを落としても操作が消えない仕組みを実装できます
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