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開発ツール/2026-06-16上級

Rork Max のネイティブアプリで CloudKit 同期を設計する — 競合と削除をどう扱うか

iPhone と iPad で同じデータを同期させたい——Rork Max が生成した Swift アプリに CloudKit を入れる際、本当に難しいのは保存ではなく『競合』と『削除』の扱いでした。実装で固めた設計判断を整理します。

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同期は「保存できた」では終わりません

お気に入りを iPhone で追加したのに、iPad では消えている。あるいは、iPad で消したはずのものが、しばらくすると iPhone から復活してくる。Rork Max が生成したネイティブ Swift アプリに同期機能を入れたとき、最初に直面したのはこの種の不整合でした。

レコードを CloudKit に保存するコード自体は素直です。難しいのは、複数の端末が同時に書き込んだときの競合と、削除をどう全端末に伝播させるか、という設計の部分でした。ここを曖昧にしたまま公開すると、ユーザーには「データが勝手に増えたり消えたりするアプリ」に見えてしまいます。個人開発で長くアプリを運用してきた経験から言うと、信頼を損なうのはクラッシュよりもむしろこの種の静かな不整合です。実装で固めた判断を残しておきます。

まず KV ストアと CloudKit の境界を引く

iCloud 同期には複数の選択肢があります。設定値のような小さなデータなら NSUbiquitousKeyValueStore で十分で、これは Key-Value だけを同期する軽量な仕組みです。容量は1MBほどで、構造化されたレコードの集合には向きません。

一方、ユーザーが作る項目(メモ、お気に入り、コレクション)のように件数が増えていくデータは、CKRecord を使った CloudKit に載せます。私の線引きはこうです。

  1. 件数が固定で、キーで直接引ければ KV ストア(設定・フラグ・最後に開いたタブなど)
  2. 件数が可変で、後からクエリ・並べ替えしたくなるなら CloudKit(ユーザー生成のレコード群)
  3. 1MB を超えそう、または端末間で部分的に差分同期したいなら迷わず CloudKit

この判断を最初に下しておかないと、後から KV ストアに無理やりレコードを詰め込んで破綻します。私自身、初期に横着して KV ストアへ寄せた結果、容量上限に当たって作り直した経験があります。

CloudKit のレコード保存は次の形になります。

import CloudKit
 
struct FavoriteRecord {
    let id: CKRecord.ID
    var title: String
    var updatedAt: Date
}
 
func save(_ favorite: FavoriteRecord) async throws {
    let db = CKContainer.default().privateCloudDatabase
    let record = CKRecord(recordType: "Favorite", recordID: favorite.id)
    record["title"] = favorite.title
    record["updatedAt"] = favorite.updatedAt
    _ = try await db.save(record)
}

ここまでは簡単です。問題はこの先です。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

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この記事で得られること
NSUbiquitousKeyValueStore と CloudKit(CKRecord)の境界を理解し、どちらを使うべきか判断できるようになる
二台の端末で同じレコードを編集したときの競合を、サーバー変更トークンと changeTag で解決するコードを習得できる
削除の同期に伴う『ゾンビ復活』を防ぐ tombstone(墓標)パターンを再現できる
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