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⬡ 開発ツール/2026-06-17上級

Rork が生成したアプリの依存関係を棚卸しする — 供給網リスクを増やさない監査の習慣

画面四枚の小さな Rork アプリでも、間接依存は 900 を超えます。脆弱性が出たときどのアプリが影響するか分からなくなる前に、npm ls・npm audit・overrides・depcheck を使った棚卸しの習慣を、複数アプリ運用の視点で整理します。

Rork611依存関係4セキュリティ15npm4長期運用11

✦ プレミアム記事

エクスポートした Rork プロジェクトの node_modules を、何気なく数えてみたことがあります。画面が四枚ほどの小さなアプリでした。それでも、インストールされていたパッケージはおよそ 900 を超えていました。自分が名前を知っていたのは、そのうち十数個だけです。

直接の依頼は「写真を選んで保存するだけ」の機能でした。Rork はその実現に必要なライブラリを選び、それぞれが内部で頼る別のライブラリを連れてきて、最終的に 900 という数字になっていたわけです。これは Rork が悪いのではなく、現代の JavaScript 開発では当たり前の光景です。問題は、その当たり前を個人開発で何本も抱えたときに起きます。

私は壁紙や癒し系のアプリを複数本、並行して運用しています。それぞれが数百の間接依存を抱えていると、ある日どこかのライブラリに脆弱性が見つかったとき、自分のどのアプリが影響を受けるのかが、一目では分からなくなります。AI が依存を選んでくれるからこそ、選ばれた中身を人間が棚卸しする習慣が要ります。

以下では、Rork が生成したアプリの依存関係を、供給網のリスクを増やさずに保つための監査手順を、実際に流しているコマンドとあわせて書いていきます。

まず「自分が何に頼っているか」を可視化する

棚卸しの第一歩は、直接依存と間接依存を分けて眺めることです。package.json に並ぶのは直接依存だけで、本当のリスクはその下にぶら下がる間接依存に潜みます。小さなアプリでも、間接依存が全体の 90% 近くを占めることは珍しくありません。

直接依存の一覧は、次のコマンドで深さを一段に絞って確認します。

# 直接依存だけを一覧表示(間接依存は畳む)
npm ls --depth=0
 
# 間接依存まで含めた総数を数える
npm ls --all --parseable | wc -l
 
# 特定のライブラリが「なぜ」入っているのかを逆引きする
npm why <パッケージ名>

最後の npm why が特に効きます。見覚えのないパッケージを見つけたとき、それがどの直接依存から連れてこられたのかを遡れます。「この画像ライブラリのために、古い圧縮ライブラリが芋づる式に入っていた」といった発見は、ここから生まれます。

脆弱性は週に一度、機械的に洗う

可視化の次は、既知の脆弱性の確認です。これは判断を挟まず、毎週きまった曜日に機械的に流すのが私のやり方です。

# 既知の脆弱性を深刻度つきで一覧
npm audit
 
# 破壊的変更を伴わない範囲だけ自動修正
npm audit fix
 
# 深刻度が high 以上だけを CI で弾く(戻り値で判定)
npm audit --audit-level=high

注意したいのは、npm audit fix を勢いで流さないことです。--force をつけると、互換性を壊すメジャー更新まで一気に当たり、本番環境のビルドが通らなくなる落とし穴があります。私は high 以上だけを対象に、一つずつ更新の影響を確かめてから取り込みます。

複数アプリを持っていると、この週次の洗い出しを一本のスクリプトにまとめておくと楽です。

#!/usr/bin/env bash
# audit-all.sh — 全アプリの脆弱性をまとめて確認する
set -e
for app in ~/apps/*/; do
  echo "===== $(basename "$app") ====="
  ( cd "$app" && npm audit --audit-level=high || echo "要対応の脆弱性あり" )
done

これを週末に一度回すだけで、どのアプリに手当てが必要かが一覧で分かります。脆弱性への対処を「思い出したとき」から「毎週の点検」へ移すだけで、見落としは大きく減ります。

✦

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この記事で得られること
✦npm ls と npm why で直接依存と間接依存を分けて可視化し、見覚えのないパッケージの侵入経路を逆引きする手順
✦週次の npm audit を全アプリへ一括実行するスクリプトと、--force による本番ビルド破壊を避ける深刻度フィルタの運用
✦overrides による間接依存のバージョン狙い撃ち、depcheck での未使用依存の削除、ネイティブ SDK を別枠で管理する理由
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