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⬡ 開発ツール/2026-06-15上級

Rork で作った Expo アプリのログインを切らさない — トークン更新の競合を単一化で防ぐ

Rork が生成する Expo アプリにログインを足すと、最初は動いても本番でじわじわ「勝手にログアウトされる」報告が増えます。原因の多くはトークン更新の競合です。リフレッシュを単一化し、安全に保存し、失効を正しく扱う信頼性設計を実装視点でまとめます。

Expo234認証15トークン信頼性Rork611

✦ プレミアム記事

ログイン機能を足したアプリを公開して一週間ほど経った頃、「気づくとログアウトしている」という問い合わせが少しずつ届き始めました。手元では再現しません。自分の端末では一度もログアウトされないのに、特定の利用者だけが繰り返し弾かれます。

原因を追ってログを並べると、同じ瞬間に複数のリクエストがトークン更新を始め、片方が古いトークンを無効化し、もう片方が無効化されたトークンで保存処理を上書きしていました。トークン更新の競合です。Rork が生成する Expo アプリにそのままログインを足すと、この競合は表に出にくく、本番運用で利用者が増えてから牙をむきます。今回は、ログインを切らさないための信頼性設計を共有します。

なぜ手元では再現しないのか

開発中は、たいてい操作が直列です。画面を開き、ボタンを押し、結果を見る。リクエストが重なりません。ところが本番運用では、アプリ復帰時に複数の画面が同時にデータを取りに行き、全部のリクエストがほぼ同時に 401 を受け取ります。

ここで各リクエストが個別にトークン更新を始めると、更新が同時多発します。多くの認証基盤はリフレッシュトークンを一度使うと回転させて古いものを失効させるため、二番目以降の更新は「すでに使われたトークン」を握ったまま失敗します。結果として、せっかく取れた新しいトークンが、遅れて届いた失敗応答に上書きされ、利用者は突然ログアウトされます。

手元で再現しないのは、リクエストを重ねていないからです。この種のバグは利用者の数とネットワークの遅さに比例して増えるので、公開直後ほど見つけにくいのが厄介な点です。私自身、App Store の審査は問題なく通ったのに、公開後一週間で問い合わせが増えていく、という経験をしました。

更新を単一化する single-flight

対処の核心は、同時に何本のリクエストが 401 を受けても、トークン更新は一度しか走らせないことです。最初に更新を始めた一本だけが実際に通信し、残りはその結果を待って共有します。これを single-flight と呼びます。

let refreshPromise = null;
 
async function getFreshToken(refreshFn) {
  // すでに更新中なら、その Promise を共有して待つ
  if (refreshPromise) return refreshPromise;
 
  refreshPromise = (async () => {
    try {
      const tokens = await refreshFn();   // 実際の更新通信は一回だけ
      await saveTokens(tokens);
      return tokens.accessToken;
    } finally {
      refreshPromise = null;              // 完了したら必ず解放する
    }
  })();
 
  return refreshPromise;
}

肝は finally での解放です。ここを忘れると、一度更新に失敗したあと refreshPromise が残り続け、以降の更新が永久に古い結果を返す状態に陥ります。私はこの解放を入れ忘れて、「一度ログアウトすると二度とログインできない」という、もっと悪い不具合を作った経験があります。

401 を受けたら一度だけ再試行する

single-flight で新しいトークンを得たら、失敗したリクエストをそのトークンで一度だけやり直します。やり直しを無制限にすると、本当に失効している場合に無限ループに入るため、再試行は一回に限ります。

async function fetchWithAuth(url, options, deps) {
  let token = await deps.getStoredAccessToken();
  let res = await fetch(url, withAuth(options, token));
 
  if (res.status === 401) {
    token = await getFreshToken(deps.refreshFn);   // ここは single-flight
    if (!token) return res;                         // 更新自体が失敗 = ログアウト確定
    res = await fetch(url, withAuth(options, token)); // 一度だけ再試行
  }
  return res;
}

更新自体が失敗したときに無理に粘らないのも大事です。リフレッシュトークンが本当に失効しているなら、何度試しても通りません。その場合は潔くログイン画面に戻すほうが、利用者にとっても挙動が読めます。

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✦複数リクエストが同時に 401 を受けて更新が二重発火する競合を、単一化(single-flight)で防ぐ実装が持ち帰れます
✦リフレッシュトークンの回転と SecureStore 保存で、失効と漏洩リスクをどう両立させるかの判断基準がわかります
✦端末の時計ずれ・オフライン復帰で起きる「勝手にログアウト」を、再試行と猶予の設計で約 80% 減らした手順がわかります
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