たとえば、手元の壁紙アプリに「お気に入り」だけを集めた画面を足したい、と考えた場面を思い浮かべてみます。やりたいことは決まっています。けれども、入力欄の横のメニューを開くと、Build、Plan、Design の三つが並んでいて、手が止まります。
どれを選んでも、送ったあとに取り返しがつかなくなるわけではありません。それでも、一日に使える数が決まっている無料枠では、最初の一回を「何となく」で選びたくないものです。
先にお伝えしたいのは、選ぶ基準を「機能の名前」ではなく、いま自分が迷っているものは何かに置く、ということです。以下は、2026年10月24日時点の公式ドキュメント(Design mode、Plan mode、Plans & Subscriptions の各ページ)に書かれた挙動を読み直し、私なりの線引きに整理したものです。画面の細部は更新されることがありますので、最後は手元の表示でご確認ください。
三つのモードが決めてくれるもの
違いは、「どこまで決めてから、コードに進むか」にあります。Design と Plan は、Build を押すまでコードを書きません。
| モード | 先に決まるもの | 手元に残るもの | やらないこと |
|---|---|---|---|
| Design | 見た目(配色・レイアウト・最初の画面) | 3〜4枚の画面の絵。承認した見た目は .rork/DESIGN.md に保存される | コードを書かない。絵なので、タップして遷移を試すことはできない |
| Plan | アプリ全体(機能・画面・画面のつながり・「できた」の基準) | 概要・画面・機能・デザイン・フロー・ゴールを持つ読み物の計画。新規なら主要画面の絵も付く | ファイルを書き換えない(読むだけ)。計画の画面は読み取り専用で、直すときはチャットで頼む |
| Build | 決めずにそのまま作る | 動くアプリ | 事前の計画や見た目の案は挟まない。小さな修正や不具合の修正向き |
二つ補足があります。一つは、同時に入れておけるモードは一つだけだということです。Plan を選ぶと Design が外れ、その逆も同じです。もう一つは、Plan が聞いてくる質問は最大でも二巡で、そのあとは分かっている範囲で計画を書くことです。計画が延々と続く面談になることはありません。
三つの問いで選びます
私は、送る前に次の三つを順に自分へ聞いております。
- 見た目の候補を、まだ一つも持っていないか
- 機能や画面のつながりを、人に説明できるほど決めていないか
- 変えたいのは、色や文言のような小さな一点ではないか
一つめが「はい」で、二つめが「いいえ」なら Design です。二つめが「はい」なら Plan です。三つめが「はい」なら、迷わず Build です。
具体的な例を三つ並べます。
| やりたいこと | 迷っているもの | 選ぶモード | 理由 |
|---|---|---|---|
| 手元のアプリに「お気に入り」画面を一枚足す | ほとんどない(既存の見た目に合わせればよい) | Build | 範囲が小さく、見た目は既存の画面が決めてくれる。ここで Plan を選ぶと、計画を読む手間のほうが大きい |
| 家族で使う習慣記録アプリを、ゼロから作る | 機能も画面のつながりも決まっていない | Plan | 画面の絵と流れ図を先に見て、機能を足したり削ったりできる。直すのはメッセージ一通ずつで済む |
| 年配の親戚に渡すクイズアプリの、文字の大きさと色合いを試したい | 見た目だけ。機能は「4択クイズ」の一言で足りる | Design | 配色や最初の画面の案を並べて選べる。機能の議論は不要 |
一行目の例は、無料枠で最もやりがちな選び違いを含んでいます。「せっかく新しい機能だから」と Plan を選ぶと、小さな変更に計画の往復が加わるだけです。逆に、三行目の例を Build で始めると、見た目はモデルの判断任せになり、あとから「全体の雰囲気が違う」と直すことになります。
無料のまま確かめられるのは、見た目まで
料金のページには、Free プランは Design mode で動き、動くアプリを作る Build mode は有料プランで開く、と書かれています。ここは数字で押さえておきます。
- Free は 1 日 5 クレジットが上限で、月の枠は対象の国で 35、それ以外の地域で 5 です
- Rork Pro は月 20 ドルで 100 クレジット、Build mode と Dev mode が含まれます
- Rork Max は月 200 ドルからで、iPad や Apple Watch、ウィジェットなどが加わります
無料のままできるのは、「見た目を決めて、有料にするかどうかを判断する」ところまでです。Design の画面で Build を押すと、無料アカウントでは「Turn your design into a real app」というプラン選択の画面が開きます。ここまで来て初めて、お金の話になります。
三点、はっきりしないことがありますので、書き残しておきます。
- Design mode が一回あたりに何クレジット減るかは、公式のページには書かれていません
- Plan mode が無料枠で使えるかも、料金表の記述だけでは判断できません
- 無料アカウントの一部は、最初から Design で始まり、モードのメニュー自体が見えないことがあります
最初の一回だけ、送る前と送った後の残りクレジットを見比べていただけましたら、一日の枠で何回頼めるかが見積もれます。一日 5 クレジットの考え方は、Rork の無料枠は月35クレジットですが、実際にぶつかるのは1日5という上限のほうですに書き残しました。
最初の一通は、「決めたこと」と「決めていないこと」で分けます
どのモードを選んでも、最初のメッセージで見た目を書いておくと、聞かれる質問が減る、と公式のヒントにも書かれています。私は、これを二つの箇条に分けて書いております。
【決めたこと】
- 目的: 年配の家族が毎日開く、4択の県名クイズ
- 見た目: 白い背景、文字は大きく、ボタンは指で押しやすい大きさ
- 画面: 問題、結果の二つだけ
【決めていないこと】
- 正解したときの演出
- 成績を残すかどうか
「決めていないこと」を明示すると、Rork が質問の形で拾ってくれます。質問のカードでは、色やレイアウトは絵で選べます。「Surprise me」を選ぶと Rork に任せられますし、「Other...」に自分の言葉を書くこともできます。意見のないところは任せ、気になるところだけ言葉にします。この割り切りが、一日の枠を守ってくれるのです。
決めたあとに、確かめておきたいこと
Design から Build へ進んだあとも、見た目の決定は消えません。承認した配色・書体・画面の判断は .rork/DESIGN.md に保存され、あとの変更でも読み直されます。見たい場合は、More の Code から .rork フォルダを開きます。ただし、できあがるのは絵の写しではなく本物のコードです。プレビューで動かして、違うところは通常どおり頼み直します。
画面が少なすぎて Build が押せないときは、Review Design のカードに「Try design again」が出ます。最初の案は 3〜4 枚なので、足りない画面は Build のあとでチャットから頼む前提で考えておくと、慌てません。
Build のあとで「やはり戻したい」と感じた日の手順は、Rork の AI が直した場所の隣が壊れたとき、Undo・Revert・メッセージ編集のどれで戻るかを先に決めますに書き残しました。
次に試していただきたいこと
送信の前に、紙の端でも構いません、「決めたこと」と「決めていないこと」を二行ずつ書いてみてください。決めていないことのほうが多ければ Plan、見た目だけなら Design、一点だけなら Build です。
私自身、画面を作る前に迷っているものの名前を書き出すだけで、手が動き出す日が少なくありません。迷いの名前が分かれば、モードはほとんど決まっています。この線引きは、クレジットが十分にある日でも、守っていきたいと感じています。