家計管理は多くの人にとって課題ですが、自分専用の家計簿アプリを作って運用できれば、お金の流れが格段に見える化しやすくなります。本チュートリアルでは、Rork AI を使ってデータ可視化と CSV エクスポート機能を備えた家計簿アプリを短時間で実装する方法を、段階を追って解説します。
なぜ家計簿アプリは初心者向けか
家計簿アプリは「初めてのアプリ開発」に最適な題材です。理由は以下の通り:
- ビジネスロジックが明確:入力→保存→表示→分析という直線的なフロー
- 基本機能に需要がある:自分自身で日常的に使える実用性
- 拡張性が高い:チャート、CSV、通知など、段階的に機能追加できる
- UI/UX の実践学習:金銭管理に関わるUI には配慮が必要で、デザイン学習になる
Rork の自然言語プロンプトなら、複雑な実装を AI が解決してくれるため、プロトタイプから実運用レベルまで素早く進められます。
Rork プロンプトエンジニアリングのポイント
家計簿アプリを Rork で作る際に重要なプロンプトのポイントを紹介します。
データモデルの指定
最初のステップは、Rork に対して「何を保存するのか」を明確に伝えることです。以下のようなプロンプトを使用します:
次のデータモデルを持つ家計簿アプリを作成してください:
- 支出エントリ:日付、カテゴリ(食費、交通費、娯楽、その他)、金額、メモ
- カテゴリ別の月間合計を計算する機能
- AsyncStorage で永続化する
- 全てのエントリを表示するリスト画面を含むこのようにフィールド名、カテゴリの選択肢、永続化方法を明記することで、Rork は正確な実装を生成します。
UI/UX 指示の詳細化
プロンプトに「見た目」に関する指示も含めることが大切です:
UI要件:
- 新規支出の入力フォーム:日付・カテゴリ・金額・メモの4フィールド
- 日付は DatePicker で選択可能
- カテゴリはドロップダウンから選択
- フォーム送信時に入力値をバリデーション(金額は0より大きい数値のみ)
- 支出一覧は降順(最新が上)で表示このレベルの具体性があると、生成されるアプリの操作感がぐっと良くなります。
データ可視化の実装
家計簿の真価は「見える化」にあります。Rork で円グラフと棒グラフを組み込む手順を解説します。
円グラフ(パイチャート)の追加
カテゴリ別の支出割合を把握するなら円グラフが最適です。Rork で円グラフを追加する際のプロンプト例:
chart ライブラリ(react-native-svg-charts など)を使用して、
カテゴリ別の月間支出を円グラフで表示してください。
仕様:
- グラフのデータ:[{ label: "食費", value: 15000 }, ...]
- 色は category ごとに異なる色を自動割り当て
- グラフをタップすると、そのカテゴリの詳細を表示
- グラフのレジェンドは下部に表示データの構造化が重要です。支出エントリから以下のように集計します:
// 期待される出力例
const chartData = [
{ label: "食費", value: 45000 },
{ label: "交通費", value: 12000 },
{ label: "娯楽", value: 8000 },
{ label: "その他", value: 5000 }
];棒グラフによる時系列表示
月別の支出推移を見る場合は棒グラフです。過去6ヶ月の月別支出合計を表示するプロンプト:
react-native-svg-charts を使用して、
過去6ヶ月の月別支出合計を棒グラフで表示してください。
仕様:
- X軸:月(1月、2月...または 1月、2月...)
- Y軸:支出額(JPY)
- バーをタップして、その月の詳細カテゴリ別内訳を表示CSV エクスポート機能
家計簿アプリの実用性を高める最重要機能が CSV エクスポートです。Excel や Google Sheets で分析したいユーザーが多いため、必須機能と言えます。
CSV 生成ロジック
Rork にエクスポート機能を追加するプロンプト:
以下の機能を実装してください:
1. AsyncStorage に保存された全支出エントリを取得
2. CSV 形式に変換(ヘッダー:日付,カテゴリ,金額,メモ)
3. CSV ファイルを生成し、共有メニュー経由でメール添付やクラウドストレージに保存可能にする
4. ファイル名は「budget_2026-03.csv」のように年月を含める
実装のポイント:
- 日付は YYYY-MM-DD 形式
- 金額は数値(カンマなし)
- メモに改行やカンマが含まれる場合はダブルクォートで括る実際の CSV 出力例:
日付,カテゴリ,金額,メモ
2026-03-26,食費,1200,昼食
2026-03-26,交通費,800,タクシー
2026-03-25,娯楽,3000,"映画チケット、ポップコーン"
2026-03-25,その他,500,雑費共有メカニズム
React Native の Share API を使うと簡単です。Rork に以下を指示:
Share API を使用して、生成した CSV ファイルをメール、LINE、Google Drive など、
OS のネイティブ共有メニューから選べるようにしてください。AsyncStorage による永続化
支出データは AsyncStorage を使ってデバイスのローカルストレージに保存します。
保存と読み込み
Rork にこう指示すると正確に実装してくれます:
AsyncStorage を使用して以下を実装してください:
1. アプリ起動時:AsyncStorage から全支出エントリを読み込む
2. 新規支出追加時:新しいエントリを配列に追加し、AsyncStorage に保存
3. 支出削除時:該当エントリを配列から削除し、AsyncStorage に反映
4. データが存在しない場合:空配列で初期化
初期化キー:"expenses"
各エントリの構造:{ id, date, category, amount, memo }AsyncStorage の基本的なコード例:
import AsyncStorage from '@react-native-async-storage/async-storage';
// 保存
const saveExpense = async (expense) => {
const existing = await AsyncStorage.getItem('expenses');
const expenses = existing ? JSON.parse(existing) : [];
expenses.push(expense);
await AsyncStorage.setItem('expenses', JSON.stringify(expenses));
};
// 読み込み
const loadExpenses = async () => {
const data = await AsyncStorage.getItem('expenses');
return data ? JSON.parse(data) : [];
};UI/UX デザイン Tips
金銭管理アプリは「ユーザーが安心して使える」という信頼感が最重要です。
入力フォームの工夫
- デフォルト値:今日の日付を自動入力
- カテゴリの視覚化:アイコンと色で各カテゴリを表現
- 確認画面:送信前に入力内容の概要を表示
- 成功フィードバック:追加後「保存しました」とトースト表示
リスト表示の最適化
- 日付のグルーピング:同じ日の支出をまとめて表示
- 金額の色分け:大きな支出は赤、小さな支出は黒など
- スワイプで削除:リスト項目をスワイプして削除可能に
- 検索・フィルター:カテゴリやキーワードで絞り込み可能
グラフの見やすさ
- 色彩設定:同じアプリで使う色は統一し、カテゴリごとに固定
- 数値表示:グラフに実額(例:「15,000 円」)を併記
- タッチ対応:グラフをタップして詳細表示
- 更新速度:データ追加後、リアルタイムでグラフが更新される
詳細なデザイン Tips については、Rork Max UI デザイン Tips をご参照ください。
開発のステップバイステップ
実装の全体フローを整理します。
Phase 1:基本形の構築(1時間)
- Rork を起動
- 「家計簿アプリ」というテーマでプロジェクト作成
- データモデルとフォーム画面を実装
- AsyncStorage 連携確認
Phase 2:データ表示と管理(1時間)
- 支出一覧画面の実装
- カテゴリ別集計ロジックの追加
- 削除機能の実装
- テストデータで動作確認
Phase 3:グラフ機能の追加(1時間)
- 円グラフコンポーネントの追加
- 棒グラフコンポーネントの追加
- タップ時の詳細表示
- グラフのリアルタイム更新確認
Phase 4:エクスポート機能(30分)
- CSV 生成ロジック実装
- Share API 連携
- ファイル名の自動生成
- メール送信など各サービスでテスト
合計で 3.5〜4 時間で一通り完成させられます。
関連リソース
本チュートリアルに関連する Rork の学習リソース:
- Rork 初めてのアプリを 30 分で作るガイド:Rork の基本操作を初心者向けに解説
- Rork 支出トラッカーアプリ チュートリアル:シンプルな支出記録機能の実装方法
- Rork Max UI デザイン Tips:アプリのUIデザインを洗練させるためのテクニック
完成後のチューニング
アプリが完成したら、以下の点でさらに磨きをかけられます。
- 通知機能:月初に「今月の予算を設定してください」と通知
- レポート機能:月末に「今月の支出サマリー」をメール配信
- 予算追跡:カテゴリごとに予算上限を設定し、超過時に警告
- 複数アカウント:家族用と仕事用を分けるサポート
Rork なら、これらの追加機能も短時間で実装できます。
全体を振り返って
Rork を使えば、3〜4 時間で本格的な家計簿アプリが完成します。データ可視化と CSV エクスポート機能があれば、金銭管理の実用性がぐんと上がります。
ポイントは:
- プロンプトの具体性:データモデル、UI要件、機能要件を詳細に指示
- 段階的な実装:基本→表示→グラフ→エクスポート の順で進める
- ユーザー体験:入力の簡潔性、見た目の美しさ、信頼感を重視
Rork で家計簿アプリを作成することで、プロンプトエンジニアリングの実践力も磨けます。ぜひ試してみてください。
参考リソース
データ可視化に関するオンライン教材や参考資料については、以下のような書籍も役立ちます: